税理士 岸野康之 事務所

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確定申告の季節だから(2)コロナ延長、税収、自治体

今朝は近所のクリニックで、健診を受けてきた。

そこで内視鏡の医師に、いろいろ面白いことを聞いた。

・いまブームなのは、胃と食道の接合部のガンや炎症。

・ラクなのは「鼻から内視鏡」だが、食道や接合部関係をよく見れるのは圧倒的に「口から内視鏡」。

・内視鏡の操作は比較的誰でもできるが、そこで病気を発見したり検体採取などするのは、ウデが重要。

・バリウム検査で異変が出たら、別に内視鏡検査をしないといけないから、最初から内視鏡がいい。

などなど・・・詳しい人はみんな知っているのかな?

僕はたくさんの医師と話すけど、実は医療、臨床そのものの話はつまむ程度しかしない。

今度、あの先生にアノ症状を聞こう・・・とか思っても、結局会うと、別の話題になってしまうのだ。

さて、今日は確定申告シリーズで、コロナ絡みの話題を。

1 コロナ延長と税収

昨年に続き、今年もコロナによる確定申告期限の延長だが。

昨年は、「9割方の納税者から申告が出揃ったのを見届けて」から、正式な申告期限延長を決定した、と言われている。

その説明を聞いて、税収の裏付けがあってから初めて期限延長を決定したという、国のそれなりのしたたかさに感心したものだ。

でも、よくよく考えてみると。

源泉徴収制度で勤め人の給料から毎月天引きし、大半の税収は確保されているから、「9割の申告 = 9割の税収」ではないだろう。

還付の申告も非常に多い(高齢者の申告は、ほとんど還付)し、実は申告の数と税収はあまり関係ない、と気付いた。

そして案の定、今年の申告期限は最初から1ヶ月キレイに伸びた。

ほらやっぱり、申告件数と税収はあまり関係ないから、やればできるよね、と。

2 住民税を計算する自治体は

申告の期限が少し伸びたことは、全国民的にとても良いことだと思う。

年に一ヶ月だけの期間に、数百万人の人が詰めかける(送りつける)という制度が、この時代にあって、異様なことだったのでないか。

税務署の人事異動は7月だから、甚大な影響はなさそうだし、全国民的に3月半ばって、メチャクチャ忙しいしね。

それはそうと、実は困るのは地方自治体の税務部門かもしれない。

住民税は、1月提出の支払調書や3月提出の確定申告をもとに、4月辺りに計算して、6月~5月の一年間の税額を決定している。

長年、3月には出揃っているはずの申告書が一ヶ月伸びたら、住民税の計算事務も一ヶ月延びることになりそうだ。

しかも1700ある地方自治体は、1000人くらいの村から1300万人の東京都まで多様で、能力も、対応の仕方も全く違う。

住民税の計算事務が滞ったり、人事的に支障が出る自治体も出てくるのではないか。

と、一見心配そうな論調で書きつつ、これを機に自治体はもっとゴリゴリスリム化すればいい、くらいに思っているのだが。

3 法人などのコロナ延長の実際

さて、ところで法人などに適用される「コロナの影響による申告・納付期限の『個別』延長」は、今年はどうなっているのか。

『個別』延長とは、申告書の隅などにちょこっと「新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長申請」と書けば、事実上無期限で申告・納付期限が延長される魔法の制度だ。

ただし、何でも延長OKなわけではなく、「コロナに起因した出来事で申告・納付ができない場合」が延長OKなのであって、「なんだよ、出せるじゃん」となったらそこで終了、という話もある。

この辺りは個別案件ベースで、法人も税理士も注意深く検討していくことになる。

ただ、いずれもにしても、この制度は今年も実施されており、いまも適用可能だ。

おそらく新型コロナは下火になっても、戦後70年続いた「定時出勤」という社会慣行が変化する中で、もう「テレワーク社会」「密回避社会」が完全に以前通りに戻ることはないだろう。

そういう点では、今後も『個別』延長が姿・形を変えながら、ある程度定着するのでないかと思うが、どうであろうか。

因みに昨年、僕は大きい医療法人で2件、小規模な社団法人で1件、それぞれ上記「個別延長」を実施した。

大きい2件は、「一ヶ月延ばしましょう」と申し合わせて延期したので、心穏やかに延長を実施できた。

しかし、1件の小規模な社団は、東京都の自粛要請に応じて営業休止をして。

「納税資金の不安」がある中で延長したので、「いつ申告納税できる日が来るだろうか」と、非常に心配した。

結果としては、この社団も営業再開後の事業が順調に回復して、半年遅れで申告・納付ができた。

しかし全国的には、まだ申告・納付ができていないで、『個別』延長の落としどころに悩む税理士・事業者が、いまも結構な数、いらっしゃるのでないかと思う。

役所嫌いの僕も、国税庁(税務署)という役所に対しては、日頃から一定の敬意を持っている。

なぜなら、国民から税金をキリとる(回収する)という、恨まれ、蔑まれ、時に国権を行使して戦う、大変な仕事をしているからだ。

そして、今回の国税庁のコロナ対応は、政府が布マスクとか卒業式中止に血道をあげる中で、するべき政策をしなやかに実施したと、高く評価している。

さて、次回も引き続き、確定申告関係のお話をして行きたいと思う。

岸野康之 拝(本日重量 85.0㎏(着衣)  2021年2月21日 89.3㎏(着衣))


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