税理士 岸野康之 事務所

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閑話休題 ~デューク東郷 ワザと軍勢~

ワザは一つが良いか、それともワザは多彩が良いか、軍勢を有するべきか。

なかなか難しいテーマだが、僕は「戦い方」「戦う場所」で、その答えは変わってくると思う。

一つのワザを鍛え貫いてこそ勝てる舞台や戦場はあるが、逆に多様なワザや軍勢を要求される戦場も、当然あろう。

ビジネスで生きる人間は、ある段階からは後者の多様さが求められると思う。

デューク東郷(ゴルゴ13)は、肉体による格闘、銃器や武具による戦闘、知識・語学・記憶力、そして夜の技・・・

あらゆるワザを使って、何をしているかというと。

「おれは、一人の軍隊だ」

と、彼は述べている。

そう、彼が様々なワザを会得して実施しているのは、一人軍隊としての戦争である。

彼の本業は、ライフル等による狙撃を用いた、標的の制圧である。

しかし、最期にターゲットを仕留めるのは、スナイプ(狙撃)力であるにしても、それだけでは、標的に至ることができない。

語学や夜の技も伴って、初めて情報戦を制し、巨大勢力をかいくぐり、最終標的に接近する。

近すぎる敵に対しては銃器より素手による攻撃が有効だから、武術や肉体が役に立つ。

そして標的を捉えるものの、待つことが必要であれば何十時間も動かず構え続ける、精神と肉体の強靭さをもっている。

目的達成のために、これほどまでに、個の力を高め続けているのである。

一方、彼について特筆すべきは、自分一人の力だけでは無く他人と共闘しているところだ。

そのネットワークは、デューク東郷という強力な武力を活かすための、目に見えない軍勢であると言える。

まず、彼を信頼し、また彼に協力する世界的な(細々とした)情報ネットワークがある。

依頼者たちは、様々な特殊経路から彼を探し当て、表に露見しない形で彼に依頼をするのである。

また、あらゆる銃火器の調達については、世界中に気心が知れた(?)武器職人たちがいて、適宜注文に応じてくれる。

そして彼には、職業を通じて貯めたカネがある。

カネがあるから、惜しみなく先行投資をして、また充実した移動や調査ができるし、ネットワークを維持できる。

そしてすごいのは、莫大なカネを有しているものの「それを失うことを(ある程度)恐れていない」という点だ。

たしかに、僕のような超小物でも、ちょっと諭吉さんが増えただけで「消えないで、諭吉さん」という臆病心が湧いてくる。

彼はその意味では、最終的には様々な部分で「捨て身」であるからこそ、常に死地に立てているのではないか。

(この点は、異論も反論もあろう)

僕の場合は、デューク東郷でいうライフルが、税務であり税理士の看板である(百発百中でないので、お恥ずかしいが)。

ただどんな職業でも、銃弾やライフルだけたくさん背負っても、ターゲットに到達できなければ意味がない。

ライフル(商品)があっても、それをターゲットに当てるためには、他のワザや軍勢が必要になってくる。

税理士が、あとから別の資格をまた取得するのも、有効なワザの会得である。

ただ、武器を二つ以上持っても、使いこなさなければ意味はない。

刀のほかに短銃や手裏剣を持っているなら使いようもあるが、二刀流となると、敵を切るには相当な鍛錬が必要だ。

僕は、短銃や手裏剣としての相続診断士など民間資格を有しており、戦場において大変重宝している。

税理士がコンサル技術を有しているというのは、僕自身の実感として有用なワザのmixだと思う。

税務が刀とすると、コンサル技術は盾とか馬とか、足さばきとかに該当し、刀と組み合わせやすい装備になる。

他にいまさら弁護士や看護師の資格を有するより、よほど使い勝手がイイ。

ただこの技術は、ある時期に修得のために膨大な経験を積んで、会得する必要がある技術である。

一方、自らのワザを活かすために軍勢を有することは、もちろん必要である。

職員を雇用したり、外部に業務提携のネットワークを構築したり、ホームページを作ったり。。。

そういうものがあって、初めて自分のワザを活かす場所を見出すことができる。

そんなわけで、自分のワザをどう活かすか考える上で、デューク東郷のあり様はとても参考になるのである。

最後に、「ゴルゴ13を部下にする」という生き方も、当然あるのだろう。

ビジネスを規模で拡大したいと思ったら、そういう猛獣使いの要素も必要だろう。

ただ僕は、ビジネスとしての合理性以前に、デューク東郷を配下に置くよりも、自分がデューク東郷のようにありたい性格である。

(へんなblogになった)

岸野康之 拝


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