医療コンサル(1)コンサルタントとは
「コンサルタントとは何か、から始めなさい」
これは平成18年3月に、初めてズタボロのコンサル業務を終えたときに、医療コンサルの大先輩から告げられた言葉である。
これは僕にとって重く鋭い言葉で、いまも常に走りながら、その答えを探し続けている。
いまこの時点において、自分なりの解はもっているが、まだ十分な解であるとは思えていない。
僕は学生時代に、「外資系のコンサルタント会社」に憧れた時期があった。
当時の僕にとって、コンサルタントは最強のビジネスマン、というイメージがあった。
タフで頭がいい商社マン、銀行員、弁護士などビジネスパーソンたちを、さらに指導し、コントロールするのがコンサルタント。
外国語ペラペラで、カミソリのような議論と結論を有し、強靭な肉体と精神で苛酷なミッションを敢行するのがコンサルタント。
ほとんどゴルゴ13(デューク東郷)に近い、そういう妄想にも近いイメージだ。
しかし憧れはあったが、勉強にも体力にも自信がない僕ではとてもできない、と早々に就職の選択肢から外した。
さて、最初に営業マンとして社会人になった時に、実は街のあちこちで、コンサルタントを名乗る人たちと出会った。
その彼らの大半が、「融資ブローカー」「不(負)動産ブローカー」「労働ブローカー」などを、生業としている人たちであった。
名刺にはコンサルタントと書いてあるのだが、普通の仲介業者であったり、闇の住人であったり、それは千差万別である。
そして、自ら名乗る人には無数に出会ったが、僕のイメージ通りのコンサルテーションをする人には、出会ったことがなかった。
「やはり本物のコンサルタントは、外資系のコンサル会社とかにいるヤツラなんだな」と、おかしな思いを新たにしたものであった。
それから数年して、税理士修業のために、10年勤めた前勤務先の税理士法人に入社。
街の税理士さんになるために、会計事務所らしい仕事を修行したかったのだが。
「キミは、税務はやらなくていいよ~」という言葉とともに、最初に命じられた仕事は「公立病院コンサルタント」。
全く意図せず、「コンサルタント」の肩書きがついた名刺を、与えられることになったのである。
そんな仕事をするために転職したのではないのだが、これが妙にハマって。
税理士修業、税理士試験もそこそこに、新米の病院コンサルとして全国を飛び回ることになった。
そして図らずも、その職業生活の中で、僕が昔イメージしていた「本物のコンサルタントたち」と、現場で出会い続けることになる。
あるときは敵として、あるときはパートナーとして、いまに至るまで、様々なコンサルタントの皆さんと一緒に格闘し続けている。
さて、ゴリゴリの外資系コンサルからただのブローカーまで、数多くのコンサルタントと出会い。
自分もまた、コンサルの名刺を持って活動するようになり。
「コンサルって、いつでも誰でも名乗れるのね」
という、とても単純な事実に行きついた。
だから、僕は「コンサルタント」と名乗る方に出会った時は、とても注意深く観察し、お話を聞くクセがついている。
世の中には様々なコンサルテーションの方法があるし、大概みんなクセが強いから、その辺は何でもよいのだが。
クライアントのためにならない、凄い数のコンサルタントを見てきたから、それだけは見極めたい。
岸野康之 拝
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