税理士 岸野康之 事務所

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税理士の仕事(11)税理士会

今日は、昨日の続きで税務調査のことを書くつもりだったが。

その前に、税理士の世界観をもう少し書いておいた方がいいな~ と思ったので、少し寄り道して。

税理士会と、税理士の関りについて書いてみる。

僕が約10年間、税理士受験生+勤務税理士をした事務所は都内にあったので、自ずと「東京税理士会」所属の税理士であったが。

税理士会の用事やお遊びはすべて一人の税理士が担い、その他大勢は仕事だけ、という文化の職場だった。

そのため、自分の担当案件のこと以外、何もわからない育ち方をしてしまった。

開業して他の税理士会に所属して、初めて税理士会の業務やお遊びに参加することになり、

「こんな世界があったんだ~」

と、ずいぶん驚いたものだ。

別に税理士会に出ても儲かるわけでないし、そういうのが好きでない人には、息苦しいかもしれないが。

自分が出るようになって、僕は開業税理士も勤務税理士も、積極的にこういう活動に出るべきだと痛感した。

1 いろんな税理士がいる、と知る

まず、とにかく税理士ばかりいる社会なので、自然といろいろな税理士の活動・タイプが分かる。

・税理士会という組織が好きな人、あるいはそのピラミッドで上を狙う人(給料等は一切出ない)

・同好会とか仲間との活動とか、酒飲み付き合いとか、そういう感じが好きな人

・確定申告相談その他、税務署からの委託業務などにとても熱心な人

・単純に、年数回の集まりを情報取得や顔合わせの場として、有意義に使う人

で、みんな税理士会に出ることと別次元で、自分の事務所の仕事を持っている。

その動き方、運営方法、活動領域が全員まったく違うので、結構税理士というのは、懐の広い職業なのだな、と感じることとなった。

その感じを得られたことは、初めて開業税理士となった身としては、とても参考になった。

2 税理士会を通じた 税務署との関わり

勤務時代、僕にとっての税務署、税務職員は「ときどき攻めてきたとき」にドンパチする相手でしかなかった。

平和に過ごしているところに、あーだこうだと言ってくるから、こちらも「やったろうじゃねえか」となる。

これは僕が血気盛んだからそう出るのでなく、勤務税理士で事務所仕事だけしていると、税務署との接点は税務調査しかないから、仕方ない

ところが税理士会に出るようになり、その年数回の会合は、最初に税務署・税理士会双方の幹部が近況を伝え合う時間からはじまる。

新任の税務署長や税務職員の自己紹介などでは、

誰かは「私は自宅が〇〇市で、片道2時間通勤で小説を読破しています・・」と述べたり。

誰かは「酒税担当をしていた頃は、趣味が飲み歩きでして」と述べたり。

誰かは「茨城に家を買った直後、所沢に辞令出ました シクシク (ノД`)・゜・。」と述べたり。

おお、彼の者たちも俺たちと同じ人であったか、とおかしな驚きがあったものだ。

あとは「税務署からの委託業務」もずいぶんやった、最近はなかなか出れないが。

具体的には、税務署内での確定申告相談会、申告書の作り方の説明会講師、記帳指導の派遣講師など・・・

なかでも「租税教室」はライフワークとして、毎年欠かさず出席させてもらっている。

そういう一緒に活動して触れ合いを通じて、税務署の人たちが「存外、幅広い活動を熱心にやっている」姿を見る機会にもなった。

いや、変な言い方なのだが。

国税庁とか税務職員全体とか、あの組織が組織として何をしているのか、何を思っているのか。

そういうことを肌で知り得ることは、税務調査内外問わず、今後もずっと税務署と関わって仕事をしていく上で、とても貴重な機会である。

3 税務調査と税理士会

税理士会で出世して税務署長などと交流があると、税務調査で有利に働くことがあるのか、どうか。

それは、僕にはさっぱり分からない。

ただ少なくとも、僕は活動領域が地元地域でなく医療界で、地域問わずなので、所轄税務署と仲良くなっても税務調査には何も関係ない

なお、税務署OBである税理士と税務署の間には、地域や時勢によるが、いろいろなものがある。

僕は、自分が立ち会った税務調査で、その威力を思い知ったことがある。

それはまた、別の機会に書いてみたいと思う。

因みに、僕は税理士会では論文執筆や原稿の仕事を、いろいろいただいている。

全体としては物書きの仕事は、皆さん避けがちなようだが、僕は下手だが文章を書くことは好きだ。

広く世に向けて、文章を書く機会をくれる税理士会には、その点でも大変感謝している。

さて、明日はアノ税務調査について書くか、それとも国税庁について書くか・・・

どちらかにしようと思う。

岸野康之 拝


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