資金の海外送金 納税管理人
もともと為替取引は、国や銀行の独占業務であったらしい。
この独占業務を民間企業に開放することを目的として、2009年に成立した資金決済法により
「資金移動業」
という業種が誕生した。
「資金移動業」とは。
「銀行等以外の者が為替取引(少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むこと」
(資金決済法 第2条第2項、第3項)
ただこの資金移動業者による資金移動は、原則として100万円が送金限度額であった。
これを2020年の法改正によって
・第一種 100万円超の送金
・第二種 100万円までの送金
・第三種 数万円程度の送金
と、100万円を超える資金移動も可能になったとのことである。
いま僕はある納税者の「納税管理人」に就任している。
実は過去に何度か、何人かの方との納税管理人となり、その納税手続等を丸抱えで行う場面があった。
その際に預かったおカネの取扱いはデリケートなので、送金事情に詳しい行政書士の先生の助言を受けながら管理している。
ところでこちらから海外送金するときに、銀行窓口からの送金で面倒に出くわすことがあった。
僕が慣れていないだけだと思うが、勘弁してくれ、と思う面倒が生じることがあった。
そこで民間送金事業者のアプリを使ったところ、簡単に海外送金できた。
すごい時代になったな~
と能天気に感心していたが。
ちょっとした機会があったので調べたら、上述のように、そのアプリの事業者は
「国と銀行以外の、民間の資金移動業者」
であった、ということになる。
便利だが胡散臭いのでは、といぶかしく思うところもあったが。
彼ら事業者の成立、存立根拠が確認できて、少し安心した。
僕は海外取引専門などではないが、自分のクライアント回りで海外取引も現に頻出する。
今後もその辺に詳しい税理士、行政書士などの先生方と一緒にしっかり取り組んでいきたい。
岸野康之 拝
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