税理士の仕事(1)概論
僕はFacebookをしているのだが。
今日、Facebookに「4月15日、今日で確定申告おわる~」と書いたところ。
昔の後輩から「プロでもギリギリになるんですね~」と、コメントがあった。
彼のコメントは、気軽に問うているが、じつに本質的な問題に言及している。
同じ腕の医者が10人いるとき、どこで医療の差が出るか、という話にも通じるものがある。
せっかくなので、税理士(会計士も含む)の仕事という話を、ちょっと何回か書いてみようと思う。
1 税理士はどんな仕事をするか・「縦」割りで見る
縦割りで述べると、税理士は次のような仕事をする。
(1)会社とか法人の会計・税務
(2)個人の自営業主、サラリーマンなどの税務(これがいわゆる確定申告)
(3)人が亡くなった時の相続や、そのときのための税の対策など
(4)税には関係がない、経営や会計のアドバイス、その他・・・
そして、中には「法人専門」「相続税専門」など、縦でジャンル分けして生きる人たちもいる。
中には税金には触れず、会社経営のアドバイス専門なんて人もいる。
個人の確定申告専門、という人も存在するらしい。僕はお目にかかったことはないが・・・
2 税理士はどんな仕事をするか・「横」割りで見る
さて、税金の種類などで分けるのを「縦割り」とすると、次のような横割りという考え方もある。
(1)大企業に特化している税理士
(2)中小・零細企業に特化している税理士
(3)街の商工会や法人会に根を張る「地域密着」の税理士
(3)飲食業専門、医療業専門(私)、新規開業専門、など業種などで特化している税理士
そう、大企業の税務会計に特化というか、その中でずっと生きている税理士・会計士は結構いる。
別に「そこに懸けてます!」とかいうのでなく、大手税理士法人に入り、その流れでそうなっている方が多い。
ただ日本の企業体は99%が中小企業だから、それに合わせて中小企業が中心の税理士は、当然多い。
あと、横割りで考えたら「地域密着型」というのも、ある種の特化と言えなくもない。
そういうものの一つで、僕はまさに医療専門の業種特化型だ。
その代わり、地域は全く関係ないし、法人税でも相続税でも何でもやる。
3 税理士はどんな仕事をするか・経歴などで見る
これは本質的にはあまり関係ないことだが、念のため。
(1)国税庁などのOB → 実は全税理士の40%近くは、法定の税理士試験を通過していないOB組。
(2)税理士試験5科目の受験、合格組。
(3)税理士試験、2、3科目の受験免除組 → 大学院などに行って、受験免除が受けられる。
税務行政というのは、気持ちいいほどサッパリしている面と、土着的・粘着的気質の面がある。
OB文化はその土着の表れであり、ある種の所轄税務署ではOB税理士には頭が上がらない、などの特質がある。
ただし、それは近年かなり崩れているし、地域差もある。
僕は、税務調査などで「すごく」有利になるOB税理士の登用はアリと思うが、税務署に少し顔が利く程度のOBなら、僕の方が断然いいと思う。
いま統計的に、税理士全体の中で「にわかOB」の比率が急増しているので、我々も納税者たちも、注意深く見定める必要がある。
あとは税理士試験を正規の5科目合格したか、大学院進学などによる「試験一部免除」を受けたか、という経歴の違いがある。
ただし、これは正直なところ、あまり実務力には関係ないし、どちらも一長一短程度の話であると思う。
僕は運の助けで5科目合格したが、実務をしてみると、そこは大した問題ではないのが税理士の世界である。
さて、明日からも税理士の仕事シリーズ、興が乗って来たので続けて書いてみようと思う。
岸野康之 拝(本日重量 85.7㎏(着衣) 2021年2月21日 89.3㎏(着衣))
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