医師と税金(9)個人に関わる10の所得 ①給与所得者
2年前にようやく禁煙に成功し、ウソのようにタバコを吸わなくなった。
いまや、飲食店や喫煙所付近で「副流煙」の真ん中にいても、何とも思わない。
ところが、ときどき危ないのは、「意外な時、チラリと見えたとき」だ。
例えば、人と向かい合ってお話しているときに。
正面の人が下を向いたとき、胸ポケットからタバコの箱が「チラリ」と見えた時。
無性に欲しくなってしまう、つい「一本いただけませんか」と言いそうだ。
そう、人は「不意打ち」「チラリズム」に弱い。
きっと何事も、そういうところがあるのだろう。
さて、開業医、勤務医というテーマでしばしば原稿を書いているが、そもそも「個人の税金」の全体像を書いていなかった。
今回は、開業医、勤務医を含めた全国民が関わる「所得税」には、10種類の所得があり、個人がお金を得たら、どれかに当てはまってくる。
今回はこの10の所得と、その他の大切なことを記すので、ぜひ読んでいただきたい。
まず第一弾の今日は、給与所得から。
1 給与所得
(1)確定申告をする必要がある給与所得者
国民中、給与所得者は圧倒的に多く、副業を有する人を含めると5000万人を超える。
そのため、給与所得だけは特筆しておく。
ほとんどの給与所得者は、年末調整をすれば特に申告をしないでいい。
いわゆるサラリーマンは、これにあたる。
しかし、次の人は確定申告が必要だ。
①給与の年間収入が2000万円を超える人
②給与以外の所得合計が20万円を超える人
③その他
見ただけで、まず勤務医などは①~③いずれかの対象者が、結構いることが分かる。
いまは該当しなくても、いずれ該当する勤務医が大半だ。
(2)義務ではないが、確定申告したほうが良い給与所得者
一方、義務では無くても、次のような人は確定申告をした方がいい(すべきである)。
①医療費が10万円くらいになり「医療費控除を受けたい人」
②多額の寄付金等を支出する人(ものによっては、申告不要だが)
③職場で年末調整はしていても、それ以外に「税金の還付」が受けられる可能性がある人
実は、結構「自分でできるから、自分でやるよ」と言い、結局、申告する機を逃している勤務医は多い。
申告して還付を受けるより「自分で働いた方が効率よく稼げる」、という医師もいた。
しかし、「還付を受けるための申告」は、実は毎年3月15日(コロナ期は4月)の申告期限と関係なく、5年間の間、申告して還付を受けることができる。
還付申告の期限は、非常に長いのだ。
2,3年分まとめて申告することもできるので、「あ、もしかしたら」という方は、税理士にすぐ相談して欲しい。
僕の事務所でも、勤務医である個人の確定申告を、結構お受けしている。
複雑な申告でなくても、「頼んだ方が早いし、色々教えてもらって勉強になる」という医師は、とても多い。
勤務医は、普通のサラリーマンより所得額や所得を得る機会が格段に多く、キャリアの変動も激しい。
だから、仲良しの税理士を作って、いろいろ聞き倒し、ぜひ損をしないように税金や所得というものにしっかりアンテナを張って欲しいと思う。
次回は所得税、その他の9種類の所得をお話したい。
岸野康之 拝(本日重量 87.2㎏(着衣) 2021年2月21日 89.3㎏(着衣))
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